サイクリング【やる価値あり】

やる価値あり
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風を感じて、日常から抜け出そう。今日から始める「サイクリング」

風を切って走る爽快感、いつも見ている景色が全く違って見える新鮮な驚き。

ペダルを漕ぐことに夢中になっていると、いつの間にか頭の中が空っぽになっている。

サイクリングは、そんな特別な時間を与えてくれます。

  1. サイクリングがおすすめな理由
    1. からだを動かしながら景色を楽しめる
    2. 無理なく続く、賢い健康習慣
    3. お財布にも地球にも優しい、スマートな選択
  2. まずは「お金をかけずに」お試し。週末サイクリングの始め方
    1. 頑張らなくていい。「ポタリング」という楽しみ方
    2. ママチャリか、シェアサイクルか
    3. プラン例:30分コース
  3. あなたのスタイルに合う一台は?自転車の選び方
    1. 迷ったらコレ!万能の「クロスバイク」
    2. スピードと冒険を求めるなら「ロードバイク」
    3. おしゃれな街乗りパートナー「ミニベロ」
    4. 体力の不安を解消する「電動アシスト自転車(e-bike)」
    5. 【最重要】失敗しない「サイズ選び」
  4. 何を揃えればいい?本当に必要なもの、後からで良いもの
    1. 【Tier 1】安全のための必須アイテム(自転車と同時に購入)
    2. 【Tier 2】自分と愛車を守る、最初の投資(納車後、すぐに)
    3. 【Tier 3】「ちょっと遠くまで」を快適にするアイテム(慣れてきたら)
    4. 【Tier 4】愛車と長く付き合うための自宅メンテナンスキット(必要に応じて)
  5. 実際いくらかかる?趣味のサイクリング「初期費用」
    1. モデルケース1:カジュアルに楽しみたい
    2. モデルケース2:将来的に極めたい
    3. 長く楽しむための維持費について
  6. 安全に楽しむためのルールとマナー
    1. これだけは覚えよう!「自転車安全利用五則」
    2. 乗る前の合言葉「ぶたはしゃべる」
  7. よくある「困った!」を解決
    1. 悩みNo.1「お尻が痛い!」はサドルのせいじゃなかった?
    2. 「膝の痛み」を感じたらチェックしたいこと
    3. 突然の「チェーン外れ」「パンク」も怖くない!
  8. サイクリングを一生モノの趣味にするために
    1. Level 1:目的地を決めよう
    2. Level 2:少し足を延ばしてみよう
    3. Level 3:イベントに参加してみよう
    4. Level 4:「輪行」で旅人になろう
  9. ペダルを漕げば、新しい世界が始まる

サイクリングがおすすめな理由

からだを動かしながら景色を楽しめる

サイクリングは散歩やランニングよりも長い距離を移動することができます。

流れていく景色を眺めながら無心で走っていると、仕事のプレッシャーや人間関係の悩みで凝り固まっていた頭と心が、ゆっくりとほぐれていくのを感じるでしょう。

また、適度な運動は「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンの分泌を促し、気分を前向きにしてくれる効果もあります。

無理なく続く、賢い健康習慣

サイクリングは、楽しみながら続けられる、非常に優れた有酸素運動です。

ランニングのように膝や足首に大きな負担がかからないため、体力に自信がない方や、運動からしばらく遠ざかっていた方でも安心して始められます。

最初は短い距離からでも始め、「今日はあのカフェまで」「次の週末は隣町まで」と、少しずつ行動範囲を広げていくうちに、自然と体力がつき、気づけば体が引き締まっている、なんてことも。

お財布にも地球にも優しい、スマートな選択

新しい趣味を始めるとき、気になるのが初期費用や維持費ですよね。

サイクリングは、最初に自転車といくつかのアイテムを揃える際に初期費用がかかります。

しかし、車のようにガソリン代はかからず、公共交通機関の運賃も節約でき、維持費は少なくお財布に優しい趣味といえるでしょう

また、移動手段を車から自転車に変えることは、CO2の排出量を削減し、環境負荷を減らすことにも繋がります。

自分の健康だけでなく、地球の未来にも貢献できる。

そう考えると、ペダルを漕ぐ足にも一層力が入るかもしれませんね。

まずは「お金をかけずに」お試し。週末サイクリングの始め方

頑張らなくていい。「ポタリング」という楽しみ方

本格的なサイクリングと聞くと、汗だくで坂道を駆け上がる姿を想像するかもしれませんが、もっとずっと気軽な楽しみ方があります。

それが「ポタリング」です。

ポタリング
  • 目的地を決めずに、散歩するように自転車でぶらぶらすること。
  • 「Potter(ぶらぶらする)」という英語が語源です。
  • スピードや距離は気にせず、気になる路地裏に入ってみたり、偶然見つけたカフェに立ち寄ってみたり。そんな気ままな時間を楽しむのがポタリングの醍醐味です。

まずは「運動するぞ!」と意気込むのではなく、「ちょっと散歩してくるか」くらいの軽い気持ちで始めてみませんか。

ママチャリか、シェアサイクルか

ポタリングに高価なスポーツバイクは必要ありません。

最初は、家にある「ママチャリ」で十分です。

カゴがついているので荷物の心配もいりませんし、何より乗り慣れている安心感があります。

まずは家の近所を15分ほど走ってみるだけでも、いつもと違う景色が見えてくるはずです。

もし家に自転車がなければ、「シェアサイクル」が強い味方になってくれます。

主要な駅やコンビニなどで手軽に借りることができ、料金も非常にリーズナブル

アプリで近くのポートを探して、すぐに乗り出せます。

メンテナンスも不要なので、「まずはお試しで」という方にはぴったりの選択肢です。

プラン例:30分コース

  1. 目的地を決める
    • 自宅から自転車で15分くらいの場所にある、少し広めの公園や、景色の良い川沿いの道などを地図アプリで探してみましょう。
  2. 準備をする
    • 動きやすい服装とスニーカー、飲み物、そしてスマートフォンがあれば完璧です。
  3. 出発!
    • スピードは出さなくて大丈夫。
    • 鼻歌でも歌いながら、気持ち良いと感じるペースでペダルを漕ぎましょう。
  4. 目的地で休憩
    • 公園のベンチで一休みしたり、川の流れを眺めたり。
    • 買っておいたコーヒーを飲むのもいいですね。
  5. 帰り道を楽しむ
    • 行きとは少し違う道を通ってみるのも面白いかもしれません。

たったこれだけです。

往復30分の短い時間でも、日常から少しだけ抜け出す感覚をきっと味わえるはず。

あなたのスタイルに合う一台は?自転車の選び方

ポタリングの楽しさを知ってしまったら、専用の自転車が欲しくなるかもしれません。

でも、自転車屋さんに行くと、見たこともないような形や値段の自転車がずらり…。

今回は、代表的な4つの車種を分かりやすくご紹介します。

迷ったらコレ!万能の「クロスバイク」

こんなあなたにおすすめ
  • 通勤や週末の運動など、幅広く使いたい
  • スポーティーな走りも、街乗りも両方楽しみたい
  • まず最初の1台として、失敗のない選択をしたい

ロードバイクの軽快さと、マウンテンバイクの安定感を良いとこ取りした、まさに万能選手です。

ママチャリよりもずっと軽く、スイスイ進むので、毎日の通勤が楽しくなること間違いなし。

少し前傾姿勢になるハンドルは、スポーティーな気分を盛り上げてくれます。

タイヤも細すぎず太すぎず、街中のちょっとした段差も安心して乗り越えられます。

スピードと冒険を求めるなら「ロードバイク」

こんなあなたにおすすめ
  • 風を切って、どこまでも速く走りたい
  • 100kmを超えるような長距離に挑戦してみたい
  • 本格的なスポーツとして、サイクリングを楽しみたい

ドロップハンドルと呼ばれる、下にカーブした独特のハンドルが特徴のロードバイク。

その最大の魅力は、圧倒的なスピード感と、どこまでも走り続けられる巡航性能です。

タイヤは細く、車体も非常に軽量。

ペダルを漕ぐ力がダイレクトに推進力に変わる感覚は、一度味わうと病みつきになります。

おしゃれな街乗りパートナー「ミニベロ」

こんなあなたにおすすめ
  • スピードよりも、おしゃれさやデザインを重視したい
  • 街中を小回りの利く自転車で散策したい
  • 保管スペースが限られている

タイヤが小さい、可愛らしい見た目の自転車がミニベロです。

フランス語で「小さい自転車」を意味します。

その魅力は、何と言ってもデザイン性の高さと、ストップ&ゴーの多い街中での扱いやすさ

信号での停車や発進がスムーズで、狭い路地も得意です。

また、省スペースで保管できるため、マンションの玄関先などに置きたい方にも人気があります。

体力の不安を解消する「電動アシスト自転車(e-bike)」

こんなあなたにおすすめ
  • 坂道の多い場所に住んでいる
  • 体力に自信がなく、長距離を走れるか不安
  • 汗をかきすぎずに、快適にサイクリングを楽しみたい

「電動アシスト」と聞くと、いわゆるママチャリを想像するかもしれませんが、最近ではクロスバイクやロードバイクタイプのスポーティーな「e-bike」が数多く登場しています。

ペダルを漕ぐ力をセンサーが感知し、モーターが自然にアシストしてくれるので、まるで背中をそっと押してもらっているような感覚で、急な坂道も楽々と登れてしまいます。

【最重要】失敗しない「サイズ選び」

自転車選びで最も大切なのは、「自分の体に合っているか」ということ

洋服や靴と同じで、自転車にもサイズがあります。

体に合わない自転車に乗り続けると、無理な姿勢が原因で膝や腰を痛めてしまったり、操作がしにくくて危険だったり、何より「乗っていて楽しくない」という致命的な問題に繋がります。

インターネットで「適応身長165cm~180cm」などと書かれているのを見かけますが、これはあくまで目安。

同じ身長でも、腕や足の長さは人それぞれです。

スポーツバイク専門店に行って、プロのスタッフに相談すること!

これが、失敗しないためにおすすめの方法です。

何を揃えればいい?本当に必要なもの、後からで良いもの

お気に入りの一台が見つかったら、次は何を揃えるべきか気になりますよね。

最初からすべてを完璧に揃えるのではなく、あなたのサイクリングのスタイルに合わせて、少しずつアイテムを揃えるのが賢い方法です。

ここでは、アイテムを4つの重要度に分けてご紹介します。

【Tier 1】安全のための必須アイテム(自転車と同時に購入)

これらは、法律で定められていたり、あなたの命を守るために不可欠なものです。

自転車を購入する際に、必ず一緒に揃えましょう。

  • フロントライト(法律上の義務)
    • 夜間に走る場合、法律で点灯が義務付けられています。
    • 白い光で、前方を照らすだけでなく、対向車や歩行者に自分の存在を知らせる重要な役割があります。
  • リアライト(または反射材)(法律上の義務)
    • こちらも夜間走行時の必須アイテム。
    • 後方からの車にしっかりと存在をアピールするための、赤い光のライトや反射材(リフレクター)です。
  • ベル(法律上の義務)
    • 道路交通法で装着が義務付けられています。
    • むやみに鳴らすものではありませんが、「警笛鳴らせ」の標識がある場所など、危険を回避するために必要な場面で使います。
  • ヘルメット (法律上の努力義務)
    • 2023年4月から、年齢にかかわらず自転車に乗るすべての人に着用が努力義務化されました。
    • 「努力義務」という言葉から軽く考えがちですが、万が一の転倒時に頭部を守る、命綱とも言える最も重要な防具です。
    • 自分の頭に合った、快適なものを選びましょう。

【Tier 2】自分と愛車を守る、最初の投資(納車後、すぐに)

必須ではありませんが、安心してサイクリングを楽しむために、できるだけ早く揃えたいアイテムです。

  • 鍵(ロック)
    • スポーツバイクは高価で、盗難のターゲットになりやすいのが現実です。
    • カフェでの休憩やコンビニへの立ち寄りなど、少し自転車から離れるだけでも必ず施錠する習慣をつけましょう。
    • ワイヤータイプよりも、切断されにくいU字ロックやチェーンロックがおすすめです。
    • 参考サイト:「自転車盗」の防犯対策(出典:警視庁)
  • 自転車保険(個人賠償責任保険)
    • 加入が義務化・努力義務化されている自治体が増えています。
    • 自分がケガをするリスクだけでなく、歩行者とぶつかって高額な賠償を請求されるケースも。
    • 自動車の任意保険や火災保険の特約でカバーされている場合もあるので、一度ご自身の保険内容を確認してみましょう。
    • 参考サイト:自転車損害賠償責任保険等への加入促進について(出典:国土交通省)
  • 空気入れ
    • スポーツバイクのタイヤは、ママチャリに比べて空気圧の管理が非常にシビアです。
    • 週に一度は必ず空気を入れるのが基本。
    • 適切な空気圧を保つことで、パンクのリスクを減らし、軽快な走り心地を維持できます。
    • 圧力計が付いた、床置きタイプのフロアポンプが断然使いやすいです。

【Tier 3】「ちょっと遠くまで」を快適にするアイテム(慣れてきたら)

30分以上のサイクリングが楽しくなってきたら、導入を検討したいアイテムたち。

快適さが格段にアップし、行動範囲がぐっと広がります。

  • ボトルケージ & ドリンクボトル
    • フレームに取り付ける、ボトル専用のホルダーです。
    • こまめな水分補給は、パフォーマンス維持と熱中症予防の基本。
    • 信号待ちなどで、さっとボトルを手に取って飲めるスマートさは、想像以上に快適です。
  • サイクルグローブ
    • ハンドルからの振動を吸収し、手のひらの疲労や痛みを軽減してくれます。
    • また、汗による滑りを防ぎ、万が一転倒した際には手を保護してくれる役割も。
  • サングラス
    • 紫外線から目を守るだけでなく、走行中のホコリや虫、飛び石など、あらゆる飛来物から目を守るプロテクターです。
    • 景色もクリアに見え、安全確認がしやすくなります。

【Tier 4】愛車と長く付き合うための自宅メンテナンスキット(必要に応じて)

簡単なメンテナンスを自分で行うことで、愛車への理解が深まり、より長く良い状態を保つことができます。

  • パンク修理キット
    • タイヤレバー、パッチ、予備のチューブなど。
    • 出先での突然のパンクに対応できると、行動範囲への不安が一気になくなります。
    • 最初は難しく感じるかもしれませんが、Youtubeなどで分かりやすい解説がたくさんあります。
  • チェーンオイル & クリーナー
    • 雨の日に走った後や、定期的にチェーンを綺麗にしてオイルを差すことで、スムーズな変速が維持され、部品の寿命も延びます。
  • サイクルコンピューター
    • 走行速度や距離、時間を表示してくれる小型のメーターです。
    • 自分の成長が数字で見えるので、モチベーション維持に繋がります。最近ではスマートフォンのアプリでも代用できます。

実際いくらかかる?趣味のサイクリング「初期費用」

2つの具体的なモデルケースを想定して、初期費用をシミュレーションしてみました。

ご自身の目指すスタイルと照らし合わせながら、予算計画の参考にしてみてください。

モデルケース1:カジュアルに楽しみたい

平日は通勤、週末は近所のカフェまで、といったように、日常の足と軽い運動を兼ねてサイクリングを楽しみたい方のためのプランです。

カテゴリアイテム費用の目安
自転車本体エントリークラスのクロスバイク60,000円 ~ 90,000円
Tier 1ヘルメット、前後ライト、ベル10,000円 ~ 15,000円
Tier 2鍵、空気入れ、自転車保険(年額)10,000円 ~ 15,000円
合計80,000円 ~ 120,000円

まずは10万円前後を一つの目安として考えると良いでしょう。

もちろん、セール品などを上手く活用すれば、もう少し費用を抑えることも可能です。

この構成でも、サイクリングの爽快感を味わうには十分すぎるほどのスペックが手に入ります。

モデルケース2:将来的に極めたい

「どうせ始めるなら、本格的に楽しみたい!」「ゆくゆくは100km先の景色を見に行ってみたい!」と本格的に極めたい方のためのプラン。

カテゴリアイテム費用の目安
自転車本体エントリークラスのロードバイク120,000円 ~ 180,000円
Tier 1ヘルメット、前後ライト、ベル15,000円 ~ 20,000円
Tier 2鍵、空気入れ、自転車保険(年額)10,000円 ~ 15,000円
Tier 3グローブ、ボトル&ケージ、サングラス等10,000円 ~ 20,000円
合計155,000円 ~ 235,000円

ロードバイクはクロスバイクに比べて価格帯が上がりますが、その分、長距離を走った時の快適性やスピード感は格別です。

最初から少し投資をして、快適なアイテムを揃えておくことで、より早く、より深くサイクリングの魅力にハマることができるでしょう。

長く楽しむための維持費について

初期費用だけでなく、長く楽しむための維持費も気になるところですよね。

サイクリングの素晴らしい点は、この維持費が他の趣味に比べて比較的安いことです。

主な消耗品としては、

  • タイヤ(5,000km~10,000kmごと)
  • チューブ(パンク時)
  • ブレーキパッド
  • チェーン(3,000km~5,000kmごと)

などが挙げられます。

乗り方にもよりますが、年間で1万円~2万円ほど見ておけば、安心して楽しめるでしょう。

また、年に一度は専門店で全体的な点検(オーバーホール)をしてもらうと安心でしょう。

安全に楽しむためのルールとマナー

どこへでも自由に行ける。それがサイクリングの大きな魅力ですが、その自由には「安全への責任」が伴います。

公道を走るということは、歩行者や自動車など、自分以外の人たちと空間を共有するということ。

ここでは、あなた自身が加害者にも被害者にもならないために、最低限知っておきたいルールとマナーをご紹介します。

これだけは覚えよう!「自転車安全利用五則」

これは、国が定めている自転車利用の基本ルールです。

安全で楽しいサイクリングの土台となる、5つの約束事です。

出典:警視庁「自転車安全利用五則」

  1. 車道が原則、左側を通行。歩道は例外、歩行者を優先。
    • 自転車は道路交通法上、「軽車両」です。
    • 歩道と車道の区別があるところでは、車道の左側を走るのが大原則です。
    • 「自転車通行可」の標識がある歩道を走る場合は、すぐに止まれるくらいのスピードで、歩行者を絶対に優先しましょう。
  2. 交差点では信号と一時停止を守って、安全確認。
    • 当たり前のことですが、焦っている時ほど見落としがち。
    • 「止まれ」の標識がある場所では、必ず足をついて止まり、左右の安全をしっかりと確認してから進みましょう。見通しの悪い交差点も要注意です。
  3. 夜間はライトを点灯。
    • これは自分の視界を確保するためだけでなく、周りの車や歩行者に自分の存在を知らせるための、非常に重要なルールです。忘れずに、早めの点灯を心がけましょう。
  4. 飲酒運転は絶対に禁止。
    • お酒を飲んだら、自転車も「運転」してはいけません
    • 自動車と同じく、厳しい罰則の対象となります。
  5. ヘルメットを着用。
    • あなた自身の命を守るための大切なルールです。
    • 万が一の事故の際、ヘルメットが頭部への衝撃を和らげ、命が助かる確率を大きく高めてくれます。

乗る前の合言葉「ぶたはしゃべる」

愛車が安全な状態かを確認する簡単な習慣をつけましょう。

そのための覚えやすい合言葉が「ぶたはしゃべる」です。

  • (ブレーキ):前後のブレーキがしっかり効くか?
  • (タイヤ):空気はしっかり入っているか?
  • (ハンドル):がたつきはないか?
  • しゃ(車体):サドルは固定されているか?ペダルは異常ないか?
  • べる(ベル):ちゃんと鳴るか?

慣れてしまえば1分もかかりません。この一手間が、思わぬトラブルを防いでくれます。

よくある「困った!」を解決

悩みNo.1「お尻が痛い!」はサドルのせいじゃなかった?

サイクリングを始めた人が、まず最初に直面するのが「お尻の痛み」です。

多くの場合、原因は「サドルが硬いから」ではなく、「乗り方」にあります。

ママチャリに乗る時のように、サドルにどっかりと体重のほとんどを預けてしまうと、一点に圧力が集中して痛くなってしまうのです。

  • 体重を「サドル」「ハンドル」「ペダル」の3点に分散させましょう。
  • 少し前傾姿勢をとり、腕と足でも体を支えるイメージを持つと、お尻への負担が驚くほど軽くなります。

それでも痛みが気になる場合は、パッド付きのサイクルパンツ(インナーウェアタイプもあります)を試してみるのも良いでしょう。

「膝の痛み」を感じたらチェックしたいこと

次に多いのが「膝の痛み」

これは、間違ったフォームでペダルを漕ぎ続けているサインかもしれません。

最も一般的な原因は「サドルの高さが合っていない」ことです。

特に、サドルが低すぎると、ペダルを漕ぐたびに膝が窮屈に曲がり、大きな負担がかかってしまいます。

  • 専門店で調整してもらうのが最善の方法。
  • 自分で調整する際の目安は「サドルにまたがり、ペダルが一番下にある時に、膝が少しだけ曲がる」高さです。
  • かかとをペダルに乗せた時に、膝がちょうど伸びきるくらい、と覚えるのも良いでしょう。

正しい高さに調整するだけで、嘘のように痛みが消えることもあります。

突然の「チェーン外れ」「パンク」も怖くない!

代表的な2つのトラブルは、やり方さえ知っていれば自分で対処できます。

  • チェーンが外れたら
    • まずは慌てず、安全な場所に停車しましょう。
      • 汚れても良いように、携帯用のゴム手袋やウエス(布)があると便利です。
    • 基本的には、後ろの変速機(ディレイラー)を少し手で引っ張りながら、チェーンを元の歯車に引っ掛けて、ペダルをゆっくり前に回すだけで、簡単にはまります。
    • YouTubeなどで「自転車 チェーンのはめ方」と検索すれば、たくさんの動画が見つかるので、一度見ておくと安心です。
  • パンクしてしまったら
    • 必要なのは「タイヤレバー」「予備のチューブ」「携帯ポンプ」の3つ。
    • 「スポーツバイク パンク修理」で検索し、家で動画を見ながら練習してみるのが一番の近道です。

サイクリングを一生モノの趣味にするために

サイクリングが日常の一部になってきたら、次はもっと深く、もっと長く楽しむためのステップをご紹介します。

Level 1:目的地を決めよう

まずは、具体的な「目的地」を決めて走ることから始めてみましょう。

それは、ずっと気になっていた隣町のパン屋さんかもしれませんし、少し景色の良い丘の上の公園かもしれません。

「あそこまで自分の力で行ってみよう」という小さな目標が、ペダルを漕ぐモチベーションになります。

そして、目的地にたどり着いた時の達成感と、そこで味わうコーヒーやパンの味は、きっと格別なものになるはずです。

Level 2:少し足を延ばしてみよう

近所の道に慣れてきたら、次はもう少しだけ勇気を出して、行動範囲を広げてみましょう。

片道1時間、往復で30kmほどの距離を目標にすると、行ける場所の選択肢がぐっと広がります。

電車では通り過ぎてしまうような小さな町や、ガイドブックには載っていない美しい田園風景など、自転車だからこそ出会える景色がたくさんあります。

美味しいランチやスイーツなど、「ご褒美」をゴールに設定するのも、さらに楽しくするコツです。

Level 3:イベントに参加してみよう

一人で走るのに慣れてきたら、同じ趣味を持つ仲間と一緒に走る楽しさも味わってみませんか。

全国各地で、初心者でも気軽に参加できるサイクリングイベントが数多く開催されています。

「ロングライドイベント」や「ヒルクライム(坂道レース)」など種類は様々ですが、交通規制された安全な道を、たくさんの仲間と一緒に走る非日常感は、一度味わうと病みつきになるかもしれません。

完走した時の大きな達成感は、あなたに新たな自信を与えてくれるでしょう。

Level 4:「輪行」で旅人になろう

「輪行(りんこう)」という言葉を知っていますか?

これは、自転車を専用の袋(輪行袋)に入れて、電車やバスなどの公共交通機関で運ぶことです。

自宅からでは到底行けないような遠くの観光地まで自転車を持って行き、現地を自由に走り回ることができます。

例えば、朝の電車で箱根まで行き、芦ノ湖の周りをサイクリングして、夕方の電車で帰ってくる。

そんな夢のような一日も、輪行なら実現可能です。

ペダルを漕げば、新しい世界が始まる

サイクリングの魅力から、具体的な始め方、そして長く楽しむためのヒントまで、たくさんの情報をお伝えしてきました。

難しく考えず、まずは晴れた週末の朝、30分だけ早起きして、近所をぐるっと一周してみませんか?

肌をなでる風の心地よさ、いつもより少しだけ速く流れる景色、自分の力で進んでいるという確かな感覚を感じられるでしょう。

さあ、ヘルメットをかぶり、 ペダルに足を乗せれば、あなたの新しい世界が、もうそこから始まっています。

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